安全運転管理がいかに重要か
〜軽井沢スキーバス事故の教訓〜(公表された事業用自動車事故調査委員会の調査から)
1 事故の概要
平成28年1月15日(金)午前1時55分頃、長野県軽井沢町の国道18号線碓井バイパス入山峠付近に於いて、貸切バス(乗客41名)がガードレールを突き破り、道路右側に転落、乗員乗客15名(乗客13名、乗員2名)が死亡、乗客26名が重軽傷を負う重大な事故が発生。
2 事故の原因
運転手は軽井沢町の国道18号碓井バイパスの下り坂約1キロを、エンジンブレーキやフットブレーキをほとんど使わずに走行。制限速度を大幅に上回る時速95キロで左カーブを曲がりきれず、崖下に転落した。
3 事故の背景
- (事故当時の)運転手は以前の勤務先で適性診断を2回受けており、2011年6月は「危険感受性に欠ける場合がある」とされたほか、15年12月には「突発的な出来事への対処を間違いやすい傾向がある」として特に注意が必要と指摘されていた。
- 運行したバス会社は診断内容を把握しておらず教育・訓練も不十分のまま運転させていた。
- (運行したバス会社は)運転者の健康診断を実施せず、点呼をしないことが常態化するなどバス会社の安全軽視の事業運営がある。
4 安全運転管理の重要性(安全なくして経営なし〜安全文化を確立しよう)
一旦重大な事故が発生すると、事業所の社会的信頼度が大きく傷つき、以降の取引停止や減少、また、莫大な被害保障問題による倒産等組織の存立を左右することとなる。
この事案は運行管理の問題であるが、安全運転管理も運転者や車を日頃からいかに組織的に安全に管理するかと言う点において何ら変わるところがない。
道路交通法74条3では、安全運転管理者等が行うべき基本業務を示している。この機会に今一度見直し、確実に実施するように努めましょう。
- 運転者の適性等の把握
- 自動車の運行計画の作成
- 長距離運転等危険防止のための交代運転者を配置
- 異常気象・災害時等における安全運転確保のための措置
- 点呼・日常点検等による安全運転の確保
- 運転日誌の備え付けと記録
- その他運転者に対する安全運転指導
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